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09.11.15 キャンセルになった2010年のASIAN OPENについて [スノーボード]

正直、僕の中ではまだ整理がついてないんだけどね。
今のところの考えを書いておこうかと思ってる。
ちょっと長いよ。

  ■X-TRAILを悪く言うのは違う気がする
  2009年まで「NIPPON OPEN」と「ASIAN OPEN」を支えたX-TRAILは、
  2010年の「ASIAN OPEN」に冠スポンサーとして名前を連ねていない。
  このことを批判するのは間違いだと思う。
  2010年の「ASIAN OPEN」をX-TRAILがサポートするって発表した記録は見あたらないからね。
  最初からスポンサーに決定してたわけじゃないのだ。
  企業がスポンサーに名乗り出てくれることは底なしのお財布を得た、というのとは違う。
  今回はおそらく「X-TRAIL JAM in TOKYO DOME」と同じように、
  NISSANの予算縮小が根底にあってのことだろうことは予想がつく。
  企業が経済的に立て直しを図ろうとしたら、徹底して支出を削るのは当たり前だ。
  健康な判断だ。
  少なくとも、X-TRAILというビッグスポンサーがついてくれたおかげで、
  ここ数年の「NIPPON OPEN」と「ASIAN OPEN」はかなり満足のいく環境で開催できたと思う。
  僕らとしてはX-TRAILやNISSANに感謝することはあっても、
  スポンサーじゃなくなったからと言って非難することはフェアじゃない。
  そんなことしたら、二度とX-TRAILはアクションスポーツをサポートしようとは思わないだろう。
  
  
  ■NISSANとTOYOTAを比較することに意味はない
  ちなみに。
  NISSANは「X-TRAIL JAM in TOKYO DOME」から手を引いた。
  TOYOTAは「TOYOTA BIG AIR」を続ける。
  だからTOYOTAの方がカッコいいとか、NISSANは根性がねぇとか言うのも間違いだ。
  二つの大会は開催規模も、開催目的も、観客の趣向もまったく違う。
  ついでに言えば総予算だってまったく違う。
  X-TRAILが「X-TRAIL JAM in TOKYO DOME」と「NIPPON OPEN」をサポートし始めた時、
  僕らはどれだけX-TRAILにエールを贈っただろうか。
  助けてくれる時には当然な顔をして、助けてくれなくなったら批判する。
  これじゃあ助ける方も甲斐がない。
  
  *上記2点については、僕が去年「X-TRAIL JAM in TOKYO DOME」に仕事で関わった、ってこととは全く無関係だ。
  これがNISSANだろうとアップルコンピュターだろうと近所の近藤青果店だろうと、僕は同じことを言うと思う。
  
  
  ■「ASIAN OPEN」キャンセルの理由
  「ASIAN OPEN」をキャンセルしたというアナウンスはこうだった。
  “Our first goal with any Global Open Series event is to provide riders with the best scenario possible,”
  “We had already made the decision to push the event into the first week in March instead of the normal dates the last week of February.
  This allowed a bit of time in the schedule after the Olympics, but made things pretty tight with the US Open.
  After talking to riders, we decided it was better to just take a year off with the Asian event,
  rather than risk burning people out after such a hectic early season."
  (引用元

   「グローバルオープンシリーズにおいて我々は、
  ライダーに可能な限り最高の展開が望める状況を提供することを心がけています」
  「我々は通常、2月の末に開催されるコンテストを3月第1週に延期する決断をしていました。
  これはオリンピックの日程を考慮したものでしたが、
  US OPENとの開催時期を考えればいささかタイトなものとなりました。
  我々はライダーと協議した結果、年度の早くからライダーを忙殺してしまうような事態を避けるため、
  今年のASIAN OPENを休止にするという決定に至りました」
  (意訳ね)
  
  参考までに
  VANCOUVER 2010 スノーボードハーフパイプ:2月17日〜18日(予定)
  2010 ASIAN OPEN:3月2日〜7日(休止)
  2010 US OPEN:3月15日〜21日(予定)
  
  
  ■誰のためのOPENか
  で、僕は今、非常に機嫌が悪い。
  上記の「ASIAN OPEN」キャンセルの理由がまったくもって気に入らないからだ。
  僕はこう考えている。
  
    ・「OPEN」は夢だ
    「ASIAN OPEN」も「EUROPEAN OPEN」も「NEW ZEALAND OPEN」も「CANADIAN OPEN」も。
    そしてすべてのルーツたる「US OPEN」も。
    この「OPEN」の名を冠したグローバルオープンシリーズには特別な参加資格は必要ない。
    誰でも自由に参加することができる、完全に解放されたコンテストだ。
    誰でも参加できるということは、数々の予選を勝ち上がっていけば最終的には決勝に進み、
    ライバルたちを打ち破って表彰台の真ん中に立つことができる。
    そういう道筋と可能性が示されているということだ。
    だからOPENには夢がある。
    世間知らずのキッズだろうと、練習を重ねてきた一発逆転を狙うベテランだろうと。
    誰もが等しく、その日世界一のライダーになる夢を見ることができる。
    さらに。
    グローバルオープンシリーズなら参加者はトップライダーと同じコースを滑ることで本物のライディングに触れ、
    その難しさやワザの完成度をカラダで知ることになる。
    直接対決しなくても、自分の滑りとトップの滑りを間接的に比較することができる。
    そうして滑ることの奥深さや難しさや楽しさを感じ取ることができる。
    これはすばらしいシステムだ。
    
    ・主役は誰?
    もちろんグローバルオープンシリーズは甘くない。
    コンテストに参加したほとんどのスノーボーダーは予選でふるいにかけられる。
    だからと言って予選で消えていったスノーボーダーたちが不要な存在だなんて、とてもじゃないが思えない。
    主役は彼らだ。
    グローバルオープンシリーズは、それぞれの開催地のスノーボーダーたちが支えている。
    自国の文化をもって最大限に歓迎の意を表し、海外からのスノーボーダーを広い心で迎え入れる。
    そんな開催国のスノーボーダーはリスペクトされるべきだ。
    そうでないとしたら、スノーボードの未来はどこに向かうと言うんだろう?
    
    ・スケジュールは誰のため?
    「ASIAN OPEN」キャンセルの理由は、
    オリンピックに出場する選手と「US OPEN」に出場する選手のことを考慮したものだ。
    彼らが忙しくなりすぎないように、という大変心優しい配慮からうまれたものだ。
    じゃあオリンピックにもUS OPENにも出場しない多くの選手たちのことはどうなんだろう?
    グローバルオープンシリーズへの参加を夢見て、その開催を楽しみにしていた、
    予選で消えていく選手のことは考えられなかったんだろうか。
    彼らこそがスノーボードカルチャーのメインストリームを支えているのに。
    そして僕らは開催国に住むスノーボーダーとして「ASIAN OPEN」を楽しみにしていたのに。
    なんだかスノーボーダーだと思って接していた人に、
    裏切られたような気がしたのは僕だけだろうか。
    1998年の長野オリンピックの際にテリエ・ハーコンセンは
    スノーボードがビジネスに利用されることを嫌ってIOCを非難した。
    あの時と同じことを今また叫ばないといけないのだろうか。
    
    ・休めばよくね?
    休息が必要な選手は「ASIAN OPEN」をパスすればいいだけの話だ。
    「○○選手は都合により欠場しました」なんてアナウンスは珍しくない。
    なんなら
    「○○選手はオリンピックで疲れたので今回はお休みです」でいいじゃないか。
    僕らはそれを受け入れて、ご苦労様って言えるくらいには大人だ。
    何人かトップ選手がパスすれば、下位の選手にもファイナルへ勝ち進むチャンスが出てくるだろう。
    試合は荒れて見応えのあるものになるかもしれない。
    誰かがいないと開催できないコンテストじゃない。
    主役が誰かを考えれば、休止にする必要なんてまったくない。
    そう感じた僕はまだまだ世間知らずの甘ちゃんなのだろうか。
    やっぱり「ASIAN OPEN」くらいになると大看板が必要なのだろうか。
  
  
  ■日程のせいだとは思いたくない
  今回の「ASIAN OPEN」がキャンセルになった『日程』という理由は何を意味しているんだろう?
  それは結果的に、開催国のスノーボードカルチャーを支える多くのスノーボーダーや、
  ハイレベルなコンペティションを見てレベルアップを図る一般スノーボーダーたちのことをまったく考えてない、
  ということにならないだろうか。
  あくまでも考慮されたのは、オリンピックとグローバルオープンシリーズを渡り歩くトップライダーたちの "都合" だった。
  彼らが燃え尽きてしまわないように。彼らを忙殺しないように。オリンピックと「US OPEN」の間に休憩が必要だった。
  だから「ASIAN OPEN」はキャンセルってことになった。
  もしもこれが
  「ごめんね。お金がないんだよ。アジアの人たち、今年は我慢してくれ!」
  だったら問題ない。
  その理由は全ての人に平等に降りかかる。
  OK、世界同時不況だ。みんな大変な時期だもんな。
  その苦しさは選手、観客、スポンサー、大会運営関係者、プレス、みんなで分かち合おう。
  そして次のチャンスに向けて力を貯えようって言えるだろう。

  もしもこれがグローバルオープンシリーズじゃなかったら問題ない。
  世界の最高峰で最高のパフォーマンスを発揮するライダーたちには、
  時に休息も必要だろう。
  地元開催にならないのは残念だけど、ネットやケーブルテレビでその活躍を応援しよう。
  だけどね。
  休止の理由はお金じゃなかったし、休止になったのは僕らが直接エントリーできるオープンの大会だったんだよ。  


だから僕は今、大変に機嫌が悪い。
『アナタガタハ「ASIAN OPEN」ニカンケイアリマセン。ブガイシャデス』と言われた気分だ。
僕らは次の「ASIAN OPEN」開催に向けて何かを努力することはできない。
何かを変えたり、何かを我慢したり、力を蓄える。そういったことができない。
だってそれは日程の問題なのだ。
お金の問題なら、解決策は考えられるだろう。
僕らは観客として記念グッズを買ったりして、僕らなりに「ASIAN OPEN」開催のサポートをすることができる。
けれど、現状は何もできない。
だってそれは事務的な問題なのだ。
どんなに僕らが望もうが何をしようが「ASIAN OPEN」は遠くの誰かのスケジュール帳の上でコントロールされるものになってしまった。
これはとても寂しいことだ。
そして。
ハッキリ言ってしまえば、日本人をなめんなよ!と思っている。
僕らは僕らなりに「NIPPON OPEN」の時代から、この大会を見て、応援してきたんだ。
その気持ちをないがしろにされたような気がする。
この国にだって「ASIAN OPEN」を目指して、その頂点に立つことを夢見て、がんばって練習してる連中がゴマンといるんだ。
そこを一世一代の見せ場として臥薪嘗胆してるスノーボーダーがいるんだ。
そういうやつらの努力と熱意が天秤にかけられたような気がする。
そう感じて、僕はバカにするなよ!と怒っている。

だから頼む!
お金の問題でもいいし、人が足りないでもいい。何だったら宇宙人が来たから、でもいい。
日程とは別の、もっとまともで心のこもった理由で僕らを納得させてくれ!!!!
主役となるべき、頑張ってるライダーたちがやる気を失わないような理由を示してくれ。
そして、この状況の中でどうやったら2011年の「ASIAN OPEN」が開催できるのか。
そのことをもっとオープンに話し合おう。


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